失敗しない樹木葬の選び方|埋葬方法や霊園による違いを理解して理想の樹木葬を探そう
2024.06.28
近年人気が高まっている樹木葬は、従来の墓石による埋葬に比べて比較的リーズナブルで、自然に還るという良いイメージが定着しています。しかし、実際に購入してみると、イメージと異なる点がある場合も少なくありません。
そこで今回は、樹木葬を検討している方のために、失敗や後悔をしないためのポイントについて詳しく解説します。
樹木葬にはたくさんの種類があることを理解する
「第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)」によると、全国のお墓の新規購入者のうち、樹木葬を購入した人は過半数を越えているそうです。樹木葬というお墓はすでに広く世の中に認知され、お墓を探す人は樹木葬を選択肢の一つにしているのは間違いないでしょう。
しかし、実際は樹木葬にはたくさんの種類があり、樹木の元にお骨を埋葬するタイプはあまり多くありません。草花をシンボルにするものや、芝生の上に石のプレートを置くような形もあります。まずは樹木葬の違いについて説明します。
樹木葬の場所による違い
樹木葬というと、山の中にあるようなイメージもありますが、実際にアクセスが悪い場所だとお墓参りに行きにくいという問題があります。樹木葬は都心に住む人にも人気なので、東京都など都心部にも数多く作られています。
埋葬する場所や区画のタイプに応じて「都市型」「公園型」「ガーデニング型」「里山型」などと区分されています。
「都市型」といわれる樹木葬は比較的街中にあり、アクセスが良く、お参りついでにショッピングなどを楽しむことができます。一方、「里山型」は郊外の山や林に位置し、里山全体を墓域としているところもあるため、「まさに自然(土)に還るお墓」と言えます。
樹木葬の埋葬スペースの違い
樹木葬の埋葬方法には、個別墓と合祀墓の二つの選択肢があります。
個別墓は、契約者ごとに個別の埋葬スペースを設けているので、家族や個人ごとにお骨が分けられて、他の人とお骨がまざることはありません。個別墓の場合は、それぞれの場所がわかるように小さい墓石やプレートが置かれています。また、埋葬場所がわかるので、その場所にお供えをしたり、手を合わせることができます。
合祀墓は、広い埋葬スペースを複数の家族や個人で共有する形です。個別のスペースがない分、リーズナブルな価格になっていることが特徴です。
事前に家族と条件について話し合うことが大切
お墓は家族みんなが集まる場所なので、それぞれの家族メンバーの意見や希望について、しっかり話し合うことが大切です。基本的な条件を事前に話し合うことで、後々の家族間の対立や誤解を防ぐことができます。
ポイント1.樹木葬にかける予算を決めておく
樹木葬に限らず、お墓を探すときには、どれくらいの金額をかけるのか予算を家族でしっかり話し合って決めておきましょう。
樹木葬の費用相場は20万~70万円と言われています。樹木葬の中でも、個別のスペースがなく、最初から他の人と一緒に合祀される合祀タイプは、最も費用が安いとされています。金額は、供養を何年続けるかによっても変わってきます。最後の方が埋葬されてから、10年、33年、50年、永代などの選択肢があります。
ご自分のイメージに合った樹木葬が、予算を越えてしまう場合もあるため、ある程度余裕を持った費用をご用意ください。
ポイント2.希望する埋葬形式を決めておく
樹木葬には、個別墓と合祀墓という異なる埋葬方法があります。どの形が一番望ましいのか、家族できめておくことが大切です。それぞれのメリットとデメリットを理解し、家族全員が納得するものを選びましょう。
ポイント3.検討するエリアを決めておく
樹木葬の場所は都心部にあるものもあれば、郊外にあるものもあります。最近は樹木葬も増えてきているので、いざ探し始めると、たくさんあって迷ってしまうかもしれません。
その中で、お墓の場所がどこにあるかは非常に重要な条件です。お墓が居住地から遠く離れていると、どうしてもお墓参りの回数は少なくなります。また、年を取って車を運転できなくなるというケースもあり、公共交通機関で行けるかどうかも大切な要素です。
ポイント4.お墓の雰囲気やサービスを現地で確認する
あまり見えにくいところですが、霊園が提供するサービスには、それぞれに違いがあります。例えば、お墓の管理や定期的な清掃、季節ごとのお花の植え替え、法要などのサポートがあるかどうかを確認することは重要です。
このような点はチラシやサイトだけでは、なかなか知ることができません。気になる樹木葬の霊園に行って、お墓の雰囲気を眺めたり、スタッフの方と実際に話してみるとよいでしょう。
樹木葬を選ぶ際の注意点やトラブル事例を知っておく
樹木葬を選ぶ際に、起こりやすいトラブル事例について、以下に説明します。
トラブル事例1. 予期せぬ費用の増加
契約時に明記されていなかった管理費やオプション代金が発生し、追加の費用が発生し、予算をオーバーしてしまうケースです。費用負担が増えることで、家族間のトラブルにつながるリスクもあります。契約内容を十分に理解し、隠れたコストがないかを確認しましょう。
トラブル事例2. 管理が行き届いていない
樹木葬は敷地内に樹木や草花が多いので、きちんと管理や維持をしていないと、落ち葉がたまったりして、逆に景観が悪くなりがちです。特に、樹木が枯れたり病気にかかったりすると、お墓の安全や環境の品質が損なわれる恐れがあります。
トラブル事例3. 樹木葬についての認識の違い
家族や遺族の間で、樹木葬における遺骨の取り扱いや埋葬方法について理解が異なると、トラブルの原因になりやすいです。例えば、樹木葬では遺骨の取り出しや個別の埋葬スペースが制限される場合があり、家族全員が望む形での埋葬が難しくなることがあります。
【まとめ】トラブルを防ぐために最後は自分の目で確認しよう
トラブルを未然に防ぐためには、予算や場所を明確にしてから、親族を含めた樹木葬の埋葬方法の確認や、デメリットも理解することが大切です。
最後に、樹木葬を購入する際は、条件に合う樹木葬をピックアップして、見学をしましょう。樹木葬の実際の様子、線香や花立てスペース、清掃状況、水場、休憩場、トイレ、法要スペース、駐車場、送迎バスといった点なども直接確認してください。
これらの点を踏まえたうえで、購入すれば、後々のトラブルを防ぐことができるでしょう。樹木葬を選ぶ際には慎重に準備と比較検討を行うことが重要です。家族全員が納得し、安心して大切な故人を埋葬できる場所を選ぶために、事前の情報収集と現地見学をしっかり行いましょう。